2020「セッケイ・ロード」バーチャル企画を楽しむためのQ&A

回答者 : 宮沢洋
(Office bunga主宰、「セッケイ・ロード」の命名者)

Qそもそもセッケイ・ロードとは?
A2018年に発見された「高麗橋通り」の神秘

「セッケイ・ロード」という言葉がメディア上に初めて登場したのは、イケフェス2018の開催から2週間後の2018年11月9日のことだ。当時、建築専門誌「日経アーキテクチュア」の編集長であった私(宮沢)がWEBに書いた「 “セッケイ・ロード”の大手設計事務所がイケフェスで出し物を競う」という記事である。

東京出身ながらイケフェスが大好きな私は、毎年、このイベントをWEBでリポートしていた。この年、それまでちゃんと見たことがなかった設計事務所各社のオープンハウス(オフィス内公開)を1日で巡ってみることにした。

事前にどう回ったら効率が良いかを調べていたとき、当時の参加4社(日建設計、東畑建築事務所、安井建築設計事務所、遠藤克彦建築研究所)が、北船場の高麗橋通りから東西に延びる1本の道路沿いに事務所を構えていることに気づいた。そして、このリポート記事の結びを「これはもう、勝手に“セッケイ・ロード”とネーミングしたい。来年のイケフェスでは、セッケイ・ロード沿いの設計事務所の参加が増えていることを願う」とした。

この記事が反響を呼び(大阪の人たちは意外にもこの事実に気づいていなかったらしい)、昨年のイケフェスでは、なんとセッケイ・ロード沿いの設計事務所による共同企画として「セッケイ・ロード・スタンプラリー」が開催された。しかも、前回は参加していなかった日本設計と久米設計を加えた6社、「セッケイ・ロード」オールキャストともいえる布陣での実施だ。

スタンプラリーのスタンプは、私が描いた各社社長の似顔絵スタンプ。これを4つ以上集めた人には社長集合似顔絵缶バッジがプレゼントされた。

ちなみに、私がセッケイ・ロードの命名時にヒントにしたのは、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」に登場する「シュガー・ロード」(沖縄・小浜島のさとうきび畑)である。

Q今年はバーチャル企画でがっかり?
A2年分を1度に実施、大盤振る舞いの面白企画!

「来年もやろう!」と盛り上がっていたスタンプラリーが実施できないことは大変残念ではある。だが、今年の企画は、オンラインならではの企画で、見逃せない。

 2020年の設計事務所連携企画は、「事務所内㊙リポート +『大阪×建築』プレゼン!!」。各社が持ち時間4分で、まず事務所内の様子を紹介し、後半は各社の代表者(社長とは限らない)が建築愛、大阪愛、イケフェス愛などを熱く語る。事務所内リポートでは、これまでのイケフェスでも見ることができなかった“設計の現場”もちらりと(社によってはがっつりと?)映る。後半は、例年の掲示中心のプレゼンでは分からなかった、各社のトーク力や“人間くささ”を知ることができる。

 実はこの企画、片方は来年用に考えていたのだが、来年はスタンプラリーが実施できると信じて、「合体しちゃえ!」ということになった。大盤振る舞いの連携企画、見る価値大だ。

Q「1本道」から離れた設計事務所は参加できない?
A今年は3社が初参加、ロードは「未来への道」

先に述べたように、「セッケイ・ロード」は、高麗橋通りを中心とする1本の道沿いに存在する設計事務所群をくくって名付けたものだ。しかし、「シュガー・ロード」が1本の道の両側に広がるさとうきび畑の美しさ、ひいては小浜島の自然の美しさを象徴する言葉であるように、いまや「セッケイ・ロード」も、大阪の街づくり・暮らしづくりに関わる設計事務所の総体を表わす言葉である。「ロード」は、言うなれば「大阪の未来への道」だ。

2020年には、「1本道」から離れた3社(佐藤総合計画・昭和設計・NTTファシリティーズ)が新たに加わる。総勢9社によるプレゼン合戦をぜひお楽しみいただきたい。そして、来年はアトリエ系事務所など、さらに多くの設計事務所の参加を期待している。

文責:宮沢洋

宮沢 洋(みやざわひろし):
編集者、画文家。1967年東京生まれ。1990年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、日経BP社入社。日経アーキテクチュア編集部に配属。2016年〜19年まで日経アーキテクチュア編集長。2020年2月に独立。2020年4月から磯達雄とOffice Bungaを共同主宰。著書に『昭和モダン建築巡礼』、『ポストモダン建築巡礼』、『菊竹清訓巡礼』、『日本遺産巡礼』(いずれも磯達雄との共著)。2020年4月から、建築ネットマガジン「BUNGA NET」https://bunganet.tokyo/を運営中